存在そのものがメッセージになる

愛ある思いが、言葉を紡ぎ、人と人とをつないでいく

あなたの中にある完璧なるもの

『完璧な文章というものは存在しない。

 

   完璧な絶望など存在しないようにね。』

 


村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』の出だしの文章です。

 

 

完璧なもの。

 

完全なもの。

 

 

自分が読んで満足のいく文章が書けること。

 

 

書いた文章が相手にも、自分が感じたように満足されて、共感してもらえる快感。

 

 

 

思えば、文章を書く行為は、書き手と読み手の心に橋を架けて、相互に往き来が出来るためのもの。

 

 

感じているものが重なったときの喜び、

 

 

心が通じ合えた、

 

 

会ったことのない人が書いた文章だと、

 

 

『この人は、どうして私の気持ちが分かるんだろう?』

 


『心の琴線に触れて、清々しい気持ちになった。』

 

 


『私が言葉に出来なかった繊細ですぐに消えてしまいそうな響きに呼応して、涙が溢れた。』

 

 

 

共感という形で、2人以上で同じものを見たときの快感。

 

 


本を読んで飛び込んできた、心に残る言葉。

 

 

 

映画の中で感情移入した主人公がつぶやく、そこはかとない一言。

 

 

 

ふと電車の広告に目をやった時に入ってきた広告のフレーズ。

 

 

 

そんな言葉は、決して完璧な言葉であったり、

 

 


満足感を得て、自分に酔う言葉でもない。

 

 

 

その人の持つ心の琴線に触れて、

 

 

 

響き合ったメロディーに、知っていたけれど、

 

 

 

1人では分からない、でも自分の中にあった完璧な感覚。

 

 

 

完璧なものは、自分から求めるものではなかったこと。

 

 

 

2人以上で、何気ない思いや、

 

 

 

日々の中で感じていることを、

 

 

 

ただそっと、前に出したときや、

 

 

 

芸術作品や文章にして読んでもらうときに

 

 

 

あなたの中にすでに眠っていて、

 

 


気が付いてもらうのをずっとずっと待っていたものが、

 

 


静かに目を覚まして、

 

 


あなたから拡がっていくでしょう。

 

 

 

あなたの心の中で、ずっとあなたで、気が付いてほしいものは、何でしょうか⁇

 

 

 

そして、既にある完璧なるものは何でしょうか⁇