心揺れる先にあるもの
私たちの気持ちは、行きつ戻りつしている。
時に、楽しさに時間を忘れて、子供のようにはしゃいでいる時もあれば、
時に、心の澱が浮かび上がってきて、まるで、鎖を付けられたように動けなくなってしまう。
軽やかで楽しさに満ちている時は、どこまでもしなやかに伸びていく新芽のように、
すくすくと育っていく未来に祝福を送る。
大海原で嵐に遭い、乗っている船が沈没しそうなとき、
抗えば抗うほど、航路からは逸れていく。
そういう時は、抗うのをやめて、荒れ狂う波に身を任せてみる。
その波立っている海に手を合わせ、
本当にわたしが向かう港はどこなのか
聴いてみる。
目指していた航路は、南の島。
未開の地であると思っていた南の島には、
今まで会ったことのない新しい自分がいると思っていた。
波に身を委ねて、
静かにじっと待ってみる。
どれくらいの時間が経っただろうか?
波が落ち着いて見えてきたのは、北の港。
幻想的な雪景色と濃い霧の向こうに見える影
その影は、かつての自分が残してきた影。
影と影が合わさった時、
過去と未来は合わさり、
「今」というこの瞬間が愛おしくなる。